もしご家族が何か商売や農業をされていたり、手芸や料理がすごく上手だったり、あるいは動画編集やCADといったパソコンのスキルを持っているなら――。
ご家族の協力を得て、そのスキルを少しずつ学び、「小さく仕事としてはじめてみる」のはどうでしょう。 恵まれた環境を活かし、症状が落ち着くまで自分のペースで働くのです。
お金を得るためには「会社に採用されなくてはならない」という選択肢だけだと、就職活動が難航したとき、どうしても心が苦しくなってしまいます。
「会社に雇われる以外のルート」が用意されているかいないかで、当事者の方の心の持ちようは大きく変わります。それどころか、自分のお店を持つなどの経験から、良い意味での「心の余裕」さえ生まれるかもしれません。
「いざとなったら別の仕事(ルート)がある」という安心感は、就活のプレッシャーをきっと軽くしてくれるはずです。
統合失調症からはじめる「家族とのスモールビジネス」3つのメリット

この働き方には、ほかにもメリットがあります。
- 働く時間の選択肢が増える 「まずはひとつ(家族の仕事)の収入源があるから、外でのパートは4時間勤務から始めよう」といった調整がしやすくなります。
- 履歴書の空白期間を前向きに説明できる 面接の際、ブランクの理由を「家業の手伝いや個人での事業創出に注力していた」と前向きに伝えられます。
- 一生モノのスキルが自然と身につく 商いのノウハウや実用的なPCスキルが、実践を通して自然と身につきます。
じつは、親御さんの「セカンドキャリア」にもつながる
「でも、この話だとお手伝い程度のお小遣い稼ぎでしょう? せいぜいスマホ代やおやつ代くらいの収入なら、あってもなくても同じかな……」
そう思うかもしれませんが、ちょっと待ってください。これをさらに、「親御さんのセカンドキャリア」にもつながるとしたらどうでしょう。
今の時代、親御さん自身の老後生活だって大変ですよね。定年後にまた誰かに雇われて働くのも、決して簡単なことではありません。
実は私の母は、70歳を過ぎても働いていました。年金だけでは生活ができなかったのです。スマホの操作方法すら娘の私に教わるほどで、パソコンのスキルなんてありませんでした。だから体を動かす仕事しか選択肢がなく、ヘルパーとして訪問介護の仕事をしていました。
そんな母の姿を間近で見ていたからこそ、私は「老後も、頭や体が動くうちは、自分のペースで働ける仕事をしっかり確保したい」と強く思うようになりました。
だからこそ、「子どものお金の不安を解消すること」と「親自身のセカンドキャリアを確保すること」を両立できたら、それって最高だと思いませんか?
ネットの情報ではない、リアルな実践書

それを具体的に教えてくれるのが、この本です。
『親子副業 親のセカンドキャリアと子どもの”稼ぐ力”が手に入る』 著者:野田拓也
本書では、中学生のお子さんと一緒に商いを「親子の副業」としてスタートする具体的な事例が紹介されています。
個人事業主として家族でビジネスをすると、どちらかが「お手伝い」になってしまったり、「売上はどっちのもの?」という揉め事が起きがちですが、本書ではそれを「法人化(会社にする)」することで解決しており、本当にすごいなと感銘を受けました。株式会社の作り方も詳しく書かれていて、すでに個人で起業しているから読んでいて納得の連続でした。
さらに、価格設定のこと、集客のこと、子どものモチベーション維持についてまで網羅されています。
この本は、ネットで検索して情報をただつなぎ合わせたような本ではありません。「本当に実際やったからこそ、これは押さえておきたい、知っておきたい」という血の通ったノウハウが、しっかりと書き込まれています。
商いの参考になることばかりで、さっそく自分でも取り入れたいと、私の中の「商売魂」に火が灯るほどでした。
家族で「普通の自立した未来」を描くために
統合失調症になると、先が見えなくて立ちすくんでしまうかもしれません。ですが、
「いずれは働いて、一人暮らしをさせる」という前提で、家族が病気に縛られず、最初から普通の自立した未来を前提として描いてみませんか?
家族で未来を模索するとき、ぜひ一度目を通してほしい一冊です。
今すぐ始めるわけではなくても、「こういう選択肢(本)があるんだ」ということだけでも、ぜひ心の片隅に覚えていてほしいなと思います。

